こんにちは、園芸屋のフタバです。栄養満点で食卓に欠かせないホウレンソウ、自分のお家で採れたら最高ですよね。でも、いざやってみようと思うと、初心者の方は少しハードルが高く感じるかもしれません。実は、ポイントさえ押さえればプランターでの育て方をマスターして、ベランダで美味しいホウレンソウを収穫することができるんです。
この記事では、ホウレンソウの育て方に関する疑問をまるっと解決していきますね。まず最初に迷う種から苗からどちらがいいのかという点や、失敗しないための植える時期、そして生育に欠かせない土や肥料の選び方についてもしっかり解説します。
また、日々の水やりといった栽培管理や、一番美味しい食べごろの見極め方、さらには限られたスペースでもたくさん収穫するコツや、病気や虫へのトラブル対策もお任せください。そして、やっぱり気になるのがコスパですよね。スーパーで買った方が安いのかどうかも含めて、家庭菜園の楽しさをお伝えできればと思います。ぜひ最後まで付き合ってくださいね。
- プランター栽培に適した時期や土選びの基本
- 種まきから間引きまで失敗しない管理のコツ
- 甘くて栄養価の高いホウレンソウを育てる秘訣
- 病害虫対策とスーパーよりもお得なコスパ検証
初心者向け!プランターでのホウレンソウの育て方準備

- 種からと苗からではどちらがいいか?
- 植える時期は失敗の少ない秋がおすすめ
- プランターでの育て方に最適な土の選び方
- 酸性土壌を防ぐ石灰と肥料の重要性
- 発芽を揃えるための種まきの手順
種からと苗からではどちらがいいか?
プランターでホウレンソウを育てようと決意したとき、園芸店に行くと種のコーナーにも苗のコーナーにもホウレンソウがあって、「結局どっちから始めるのが正解なの?」と迷ってしまうこと、ありますよね。
結論からズバリお伝えすると、ホウレンソウは「種から」育てるのが断然おすすめです。これには、植物としての「根っこ」の性質が深く関係しているんです。
ホウレンソウは「直根性」の植物
ホウレンソウの根は「直根性(ちょっこんせい)」と呼ばれるタイプで、太い主根(しゅこん)が地中深くまでまっすぐに伸びていき、そこから細かい側根が生える構造をしています。ちょうど、小さなゴボウやニンジンのような根っこをイメージしてもらうと分かりやすいかもしれません。
この太い主根は、植物の生命線とも言える非常に重要な器官なのですが、実はとてもデリケートなんです。一度傷ついてしまうと再生するのが難しく、その後の成長がピタッと止まってしまったり、最悪の場合は枯れてしまったりすることもあります。
苗からの移植が難しい理由
ポットで売られている苗をプランターに植え替える(移植する)際、どんなに丁寧に扱っても、この主根にダメージを与えてしまうリスクがあります。プロの農家さんでも、ホウレンソウの移植栽培はあまり一般的ではなく、畑に直接種をまく「直播き(じかまき)」が基本中の基本なんです。
もちろん、園芸店で売られている苗がダメというわけではありません。「どうしても今すぐ緑が欲しい」「数株だけ試しに育ててみたい」という場合には手軽で便利です。でも、根付くまでに時間がかかったり、大きく育たなかったりする失敗リスクを考えると、初心者の方こそ種からスタートする方が、結果的に満足のいく収穫に繋がりやすいかなと思います。
種から育てるメリットは他にも
種から育てるメリットは、根を傷めないことだけではありません。
1. 根がのびのび育つ: 最初からプランターという広い環境で発芽するため、根がストレスなく深くまで伸び、丈夫な株に育ちます。
2. コストパフォーマンス: 苗を数株買う金額で、種なら数百株分も入っています。失敗してもまき直しが効くので、精神的にも楽ですよね。
3. 間引き菜(ベビーリーフ)を楽しめる: 種を多めにまいて、成長に合わせて間引いていくのですが、この「間引き菜」が柔らかくて絶品なんです。これは種から育てた人の特権ですよ。
「種まきって難しそう…」と思うかもしれませんが、ホウレンソウの種は比較的大きくて扱いやすいので、初めての方でも大丈夫。ぜひ、小さな一粒から大きく育つ生命力を体感してみてくださいね。
植える時期は失敗の少ない秋がおすすめ
野菜作りにおいて「いつ種をまくか」というタイミングは、成功の8割を決めると言っても過言ではありません。ホウレンソウは一年中スーパーで見かけますが、家庭菜園で育てるなら、断然「秋まき」から始めるのが成功への近道です。
ホウレンソウが好む温度と苦手な温度
ホウレンソウは、冷涼な気候を好む野菜です。具体的には、発芽や生育に適した温度は15℃〜20℃くらい。人間が「涼しくて過ごしやすいな」と感じる季節が、ホウレンソウにとってもベストシーズンなんですね。
逆に、暑さにはめっぽう弱いです。気温が25℃を超えると発芽率がガクンと下がってしまいますし、35℃以上になると「熱休眠」といって、種が眠ってしまい発芽すらしなくなります。また、高温多湿な環境では「立枯病」などの病気も発生しやすくなるため、夏場の栽培はプロでも気を使う難しい時期なんです。
「トウ立ち」を防ぐために
もう一つ、秋まきをおすすめする大きな理由に「トウ立ち(抽苔:ちゅうたい)」という現象があります。これは、葉が大きくなる前に花芽ができて茎が伸びてしまい、花が咲いてしまうことです。花が咲くと、葉っぱの栄養が花に取られて硬くなり、味も落ちてしまいます。
ホウレンソウは「長日植物(ちょうじつしょくぶつ)」といって、昼間の時間が長くなると花を咲かそうとする性質を持っています。春に種をまくと、夏至に向かってどんどん日が長くなるので、株が小さいうちに慌てて花を咲かせてしまいがちなんです。
| 季節 | 種まきの目安 | 栽培の難易度と特徴 |
|---|---|---|
| 春まき | 3月〜5月 | 難易度:中〜高 日が長くなるためトウ立ちしやすい。「晩抽性(ばんちゅうせい)」というトウ立ちしにくい品種を選ぶ必要がある。 |
| 秋まき | 9月〜10月 | 難易度:低(おすすめ!) 気温が下がり、日も短くなるのでトウ立ちの心配が少ない。寒さで甘みが増し、害虫も減るベストシーズン。 |
秋まきこそ、最高のホウレンソウが育つ
9月〜10月頃に種をまく「秋まき」なら、これから気温が下がっていく時期に育つので、トウ立ちのリスクがほとんどありません。さらに、冬の寒さに当たることで葉が肉厚になり、糖度が増して驚くほど甘くなります。
虫の活動も鈍くなる時期なので、無農薬でも比較的きれいな状態で収穫しやすいのも嬉しいポイントですよね。まずは失敗の少ない秋まきで、「自分で育てたホウレンソウってこんなに美味しいの!?」という感動を味わってほしいなと思います。
プランターでの育て方に最適な土の選び方
植物にとっての土は、人間にとっての「住まい」や「食事」と同じくらい大切です。特にプランター栽培では、限られた土の中で根を張らなければならないため、土選びがその後の生育を大きく左右します。
プランターは「深さ」を重視して選ぼう
土の話の前に、まず容器選びのポイントを少しだけ。先ほどお話ししたように、ホウレンソウは根を深くまっすぐに伸ばす「直根性」の植物です。そのため、浅いプランターだとすぐに根が底についてしまい、根詰まりを起こして成長が止まってしまうことがあります。
ですので、プランターを選ぶときは、深さが20cm以上あるものを選んであげてください。一般的な「60cm標準プランター」であれば深さも十分確保されているものが多いので、迷ったら標準サイズを選ぶと間違いありません。
初心者は「培養土」一択でOK!
そして肝心の土ですが、初心者の方は市販の「野菜用培養土」を使うのが一番の近道であり、失敗しないための鉄則です。
ホームセンターに行くと、「赤玉土」や「腐葉土」など色々な種類の土が売られていますが、これらを自分でブレンドするのはなかなか大変ですし、知識も必要になります。その点、野菜用培養土なら、植物が育つのに必要なベースの土、堆肥、肥料などが最初からバランスよく配合されています。
さらに重要なのが、次に詳しく解説する「酸度(pH)」が、あらかじめホウレンソウに適した状態に調整されていることです。袋を開けてプランターに入れるだけで、すぐに種まきができる手軽さは、培養土ならではのメリットですね。
古い土を使う場合のリスクと対策
もし、「以前にお花や野菜を育てたプランターの土(古土)が残っているから、それを使いたい」という場合は、少し注意が必要です。
1. 酸性化している可能性: 日本の雨は酸性なので、使い古した土は酸性に傾いていることが多いです。
2. 栄養分の枯渇: 前の植物が栄養を使ってしまっているので、肥料分が足りません。
3. 病害虫の残り: 前の植物の病原菌や虫の卵が潜んでいる可能性があります。
古い土を再利用する場合は、必ず「土のリサイクル材」を混ぜたり、後述する石灰で酸度調整を行ったりして、土をリフレッシュさせてから使うようにしましょう。でも、初めてのホウレンソウ栽培なら、リスクを避けるためにも新しい培養土を使うことを強くおすすめします。
酸性土壌を防ぐ石灰と肥料の重要性
ホウレンソウ栽培において、絶対に避けて通れないキーワードがあります。それが「酸度(pH)」です。実はホウレンソウ、野菜の中でもトップクラスに「酸性土壌」が苦手なお野菜なんです。
なぜホウレンソウは酸性が嫌いなの?
土が酸性(pHが低い状態)になると、土の中に含まれるアルミニウムなどの成分が溶け出しやすくなります。この溶け出した成分が、ホウレンソウの根っこにとっては毒となり、根の成長を阻害してしまうのです。
酸性の土で無理に育てようとすると、発芽してもすぐに葉っぱが黄色くなって枯れてしまったり、全然大きくならなかったりします。これを防ぐために必要なのが、土をアルカリ性に戻すための「石灰(せっかい)」です。
おすすめは「苦土石灰(くどせっかい)」
石灰にもいくつか種類がありますが、家庭菜園でホウレンソウを育てるなら「苦土石灰」を選びましょう。「苦土(くど)」とはマグネシウムのこと。植物の葉緑素を作るのに欠かせないマグネシウムと、カルシウム(石灰)を同時に補給できるので、葉の色が濃く、健康的なホウレンソウが育ちます。
新しい培養土を使う場合は調整済みなので不要ですが、畑の土や古い土を使う場合は、種まきの2週間前を目安に、1平方メートルあたりコップ1杯半(約150g〜200g)程度の苦土石灰を混ぜ込んでおきましょう。
石灰と肥料は「混ぜるな危険」!?
ここで一つ、非常に重要な注意点があります。それは、「石灰と肥料を同時に混ぜない」ということです。
アルカリ性の強い石灰と、窒素を含む肥料が接触すると、化学反応を起こして「アンモニアガス」が発生してしまうことがあります。このガスは、せっかくの肥料成分(窒素)を空気中に逃がしてしまうだけでなく、土の中で根っこや発芽したばかりの芽を痛めつけてしまう原因になります。
STEP 1(2週間前): 苦土石灰だけを土に混ぜて、酸度を調整しておく。
STEP 2(1週間前): 堆肥と化成肥料(元肥)を混ぜ込み、土になじませる。
STEP 3(当日): ふかふかの状態で種まきスタート!
このように、時間をずらして作業することで、ガス障害を防ぎ、土の中で成分をしっかり安定させることができます。「急がば回れ」の精神で、土づくりには少し時間をかけてあげてくださいね。
発芽を揃えるための種まきの手順
土の準備ができたら、いよいよ種まきです。「種をまくだけでしょ?」と思うかもしれませんが、ホウレンソウの種にはちょっとした特徴があり、それを知っているかどうかで発芽率に大きな差が出ます。
種まき前の「ひと手間」が成功の鍵
ホウレンソウの種は、硬い殻(果皮)に覆われています。この殻が水の浸透を邪魔してしまうため、そのまま土にまくとなかなか芽が出なかったり、発芽がバラバラになってしまったりすることがあります。
そこで、種まきの前に「一晩水に浸しておく」のがおすすめです。こうすることで殻が柔らかくなり、種の中まで水が行き渡って、一斉に発芽スイッチが入ります。さらに、まだ気温が高い時期(夏まきや初秋)であれば、水に浸した種を湿らせたキッチンペーパーに包み、冷蔵庫の野菜室に3〜4日入れておく「芽出し処理」も有効です。こうすると「今は涼しい冬だ!」と種が勘違いして、暑い時期でもスムーズに発芽してくれますよ。
※ただし、種袋に「プライマックス」や「発芽処理済み」と書かれている種は、すでにメーカー側で処理がされているので、水に浸さずにそのまままいてくださいね(コーティングが溶けてしまうことがあるため)。
プランターでの基本は「すじまき」
準備ができたら、実際にまいていきましょう。プランター栽培では、列を作ってまく「すじまき」が管理しやすくておすすめです。
溝ができたら、種が重ならないように1cm〜2cm間隔でパラパラとまいていきます。この時、あまり神経質にならなくても大丈夫。後で間引きをして調整するので、「だいたい等間隔」くらいの気持ちでOKです。
最後に必ず「鎮圧」を!
種をまいたら土を優しく被せますが、ここで絶対に忘れてはいけないプロの技があります。それが「鎮圧(ちんあつ)」です。
土を被せた後、手のひらや木片などで上から土をギュッギュッと押さえてください。「そんなに固めて大丈夫?」と不安になるかもしれませんが、これにより種と土が密着し、土の中の水分が毛細管現象で種に届きやすくなります。鎮圧をしないと、種が乾燥してしまい、発芽不良の原因になります。
最後に、種が流れないようにハス口の細かいジョウロでたっぷりと水をあげましょう。芽が出るまでは乾燥が大敵なので、新聞紙や不織布を土の上にふわりとかけておくと、保湿効果が高まって発芽しやすくなりますよ。芽が出たらすぐに外して、光を当ててあげてくださいね。
甘く育てるホウレンソウの育て方と管理テクニック

- 適切な水やりと間引きなどの栽培管理
- たくさん収穫するコツと寒締めの効果
- 食べごろを見極めて栄養価を高める収穫
- 病気や害虫などよくあるトラブル対策
- コスパ検証!スーパーで買った方が安い?
- まとめ:基本のホウレンソウの育て方
適切な水やりと間引きなどの栽培管理
無事に芽が出たら、ここからが栽培の本番です。ホウレンソウを大きく、そして美味しく育てるためには、「水やり」と「間引き」という2つの管理作業がとても重要になります。
水やりのメリハリが大切
ホウレンソウは乾燥を嫌う野菜ですが、かといって常に土がジメジメしている状態も好みません。過湿状態が続くと、根腐れを起こしたり、「べと病」などの病気にかかりやすくなったりします。
水やりの基本は「土の表面が乾いたら、鉢底から流れ出るくらいたっぷりと」です。プランターは畑に比べて保水力が低いので水切れには注意が必要ですが、毎日漫然とあげるのではなく、土の状態を観察してあげるのがポイントです。
また、水やりの時間は「朝」がベストです。夕方に水をあげると、夜間の土の中の湿度が高くなりすぎてしまい、徒長(茎がひょろひょろ伸びること)や病気の原因になります。朝の光合成が始まる前に水分補給をしてあげるイメージですね。
「間引き」を制する者はホウレンソウを制す
初心者の方が一番苦戦するのが、実は「間引き」かもしれません。「せっかく芽が出たのに抜いてしまうなんてかわいそう…」という気持ち、痛いほど分かります。でも、美味しいホウレンソウを育てるためには、心を鬼にして間引く必要があるんです。
もし間引きをせずに密集したままだと、隣同士の葉っぱが重なり合って光が当たらず、栄養の奪い合いになってしまいます。結果、ひょろひょろと弱々しい株になり、病気にもなりやすくなってしまうのです。
1回目(双葉が開いた頃): 混み合っているところや、生育の悪いもの、葉の形がおかしいものを抜きます。株と株の間が3cmくらいになるように調整しましょう。
2回目(本葉が3〜4枚出た頃): 隣の葉と触れ合うようになったら2回目の間引きです。最終的に株間が5cm〜6cmになるようにします。この時、生育の良い元気な株を残すようにしましょう。
間引くときは、残す株の根を傷めないように、指で株元を軽く押さえながら引き抜くか、ハサミで根元からカットするのがおすすめです。間引いた小さなホウレンソウ(間引き菜)は、柔らかくてアクも少ないので、サラダやお味噌汁の具として美味しくいただけます。「捨てる」のではなく「早期収穫」だと思えば、間引き作業も楽しくなりますよね。
株元を安定させる「土寄せ」
2回目の間引きのタイミングで、一緒にやっておきたいのが「追肥(ついひ)」と「土寄せ(つちよせ)」です。化成肥料をパラパラとまいた後、周りの土を株元に寄せてあげましょう。これにより、肥料が土に混ざりやすくなるだけでなく、株がぐらつくのを防ぎ、根っこを保護する効果があります。ちょっとした作業ですが、これだけでその後の育ちがグンと良くなりますよ。
たくさん収穫するコツと寒締めの効果
家庭菜園の醍醐味は、やっぱり「美味しくて栄養満点の野菜」を食べることですよね。ここでは、プロも実践しているホウレンソウの味を劇的に良くするテクニックと、長く楽しむためのコツをご紹介します。
魔法のテクニック「寒締め(かんじめ)」
冬の時期にホウレンソウを育てるなら、絶対に挑戦してほしいのが「寒締め」です。スーパーで「ちぢみほうれん草」や「寒締めほうれん草」という名前で売られている、あの甘くて濃厚なホウレンソウのことです。
やり方はとてもシンプル。収穫できる大きさになってもすぐには収穫せず、あえて1〜2週間ほど、冷たい北風や霜に当て続けるだけです(トンネルなどの防寒資材の裾を開けておきます)。
植物も人間と同じで、身体の中の水分が凍ると死んでしまいます。そこでホウレンソウは、寒さを感じると自ら体内のデンプンを「糖分」に変え始めます。砂糖水が真水よりも凍りにくい原理(凝固点降下)を利用して、自分の身を守ろうとするんですね。さらに、抗酸化物質であるビタミン類も増やしてストレスに対抗します。
驚異の栄養価!ビタミンCは夏の3倍!?
この寒締め効果は凄まじく、糖度がフルーツ並みに上がるだけでなく、栄養価も跳ね上がります。文部科学省のデータによると、冬採り(寒締め)のホウレンソウに含まれるビタミンCは、夏採りのものと比較して、なんと約3倍(夏:20mg/100g に対し、冬:60mg/100g)にもなることが分かっています。(出典:文部科学省『日本食品標準成分表』)
ただ寒さに当てるだけで、こんなに美味しくて健康に良い野菜に変身するなんて、植物の力ってすごいですよね。
「ずらし蒔き」で収穫期間を延ばそう
また、プランターがいくつかある場合は、一度に全ての種をまかずに、時期をずらしてまくのもおすすめです。「今日はプランターAに、2週間後にプランターBに…」というように、1〜2週間おきに「ずらし蒔き」をすることで、収穫のタイミングもずらすことができます。
ホウレンソウは成長が早いので、一度にまくと一斉に収穫時期が来てしまい、「毎日ホウレンソウ続きで食べきれない!」なんてことになりがちです。少しずつ時期をずらせば、いつでも新鮮な採れたてを食卓に並べることができますよ。
食べごろを見極めて栄養価を高める収穫
大切に育ててきたホウレンソウ、いよいよ収穫の時です。一番美味しいタイミングを逃さないようにしましょう。
ベストなサイズは草丈20cm〜25cm
収穫の目安は、草丈(地面から葉先までの長さ)が20cm〜25cmくらいになった頃です。市販のホウレンソウと同じくらいのサイズですね。
これより小さくても「ベビーリーフ」として柔らかいうちに食べられますが、逆に大きくしすぎると、葉が硬くなったり、アク(シュウ酸)が強くなって味が落ちてしまったりします。また、収穫が遅れると、下の方の葉っぱが黄色くなってくることもあるので、「ちょっと早いかな?」と思うくらいで収穫し始めるのが、柔らかくて美味しいホウレンソウを味わうコツです。
寒締めの完了サイン
寒締めを行っている場合は、草丈だけでなく「株の姿」もチェックしてください。寒さに当たったホウレンソウは、地面にへばりつくように葉を広げます(ロゼット状)。葉の色が濃い緑色になり、表面がちりめん状に縮れて厚みが出てきたら、寒締め完了の合図。糖度が最高潮に達している証拠です。
収穫の方法
収穫するときは、株元の根っこをハサミで切り取るか、株ごと手で引き抜いてから根を切ります。引き抜くときは、周りの土を巻き上げないように、株元をしっかり持って垂直に抜きましょう。収穫後は、鮮度が落ちないうちにすぐに調理するか、濡れた新聞紙に包んで冷蔵庫に立てて保存してくださいね。
病気や害虫などよくあるトラブル対策

プランター栽培でも、残念ながら病気や虫のトラブルはゼロではありません。でも、敵を知っておけば怖くありません。ここではよくある症状と対策をQ&A形式でまとめました。
- 葉っぱに白い絵描きのような線があります。これは何ですか?
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それは「ハモグリバエ(別名:エカキムシ)」の幼虫の仕業である可能性が高いです。葉の中に潜り込んで食べ進むので、白い線が残ります。白い線の先端に幼虫がいることが多いので、見つけたら葉の上から指で潰すか、被害のひどい葉は切り取って処分しましょう。
- 新芽に小さな虫がたくさんついています。
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緑色や黒色の小さな虫なら「アブラムシ」でしょう。新芽の汁を吸って生育を邪魔するだけでなく、病気(ウイルス病)を運んでくる厄介者です。見つけ次第、粘着テープでペタペタと取り除くか、牛乳スプレーや食品成分由来の安心なスプレーで退治してください。
- 葉っぱの一部が透けていたり、穴が開いていたりします。
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夜行性の「ヨトウムシ(ヨトウガの幼虫)」かもしれません。昼間は土の中に隠れていて、夜になると出てきて葉を食べ尽くします。株元の土を少し掘ってみて、丸まっている幼虫を見つけたら捕殺しましょう。
最強の対策は「防虫ネット」
農薬を使いたくない家庭菜園において、最も効果的な害虫対策は「物理的にシャットアウトすること」です。種まきをして水をあげたら、すぐに防虫ネットや不織布をプランター全体にかけてしまいましょう。隙間がないように洗濯バサミなどでしっかり留めておけば、蛾やハエが卵を産み付けるのを防ぐことができます。
また、病気に関しては「過湿」が大敵です。特に「べと病」は湿度が高いと発生しやすいので、水のやりすぎに注意し、間引きをして風通しを良くしておくことが、一番の予防になります。
コスパ検証!スーパーで買った方が安い?
最後に、家庭菜園を始めるにあたって誰もが気になる「コストパフォーマンス」について、シビアに計算してみたいと思います。「手間ひまかけて育てたのに、買った方が安かった…」なんてことになったら悲しいですよね。
1袋の種からどれくらい採れる?
まず、費用の比較です。
スーパーでホウレンソウを買うと、1束(約200g・5〜8株程度)で安くても100円、通常150円〜200円、野菜が高騰する冬場や端境期には300円近くすることもあります。
一方、家庭菜園用の種は、1袋200円〜300円程度で売られています。メーカーにもよりますが、1袋には数百粒〜千粒以上の種が入っています。発芽率や間引きを考慮しても、1袋の種から数十束分のホウレンソウを収穫することが十分に可能です。
初期投資を回収できるか
プランターや土、肥料などの初期投資として2,000円〜3,000円かかったとしましょう。
もし種1袋で30束分の収穫ができれば、1束200円換算で6,000円相当の価値になります。これだけで初期投資は十分に回収でき、お釣りが出ますね。
さらに、プランターや土は次の野菜(小松菜やレタスなど)にも使い回せるので、育てれば育てるほどお得になっていきます。
お金には代えられない価値
そして何より、家庭菜園には「プライスレスな価値」があります。
- 鮮度抜群: 食べる直前に収穫するので、栄養価のロスがゼロ。
- 安心安全: 自分で育てているから、どのような肥料や農薬を使ったか(あるいは使っていないか)が100%分かります。
- 食育: 小さな種から育つ過程を見ることは、お子さんにとっても素晴らしい経験になります。
こうして考えると、ホウレンソウの家庭菜園は、経済的にも精神的にも非常にコスパの良い趣味だと言えるのではないでしょうか。間違いなく、「スーパーで買うよりお得で美味しい」ですよ!
まとめ:基本のホウレンソウの育て方
いかがでしたか?ホウレンソウ栽培は、いくつかのポイントさえ押さえれば、プランターでも十分に立派な収穫が楽しめます。最後に、今回の重要ポイントをおさらいしておきましょう。
- ホウレンソウは移植を嫌うので種から育てるのが基本
- 初心者は失敗の少ない秋まき(9月〜10月)がおすすめ
- 土は酸度調整済みの野菜用培養土を使うと安心
- 種まきの前は一晩水につけ、まいた後はしっかり鎮圧する
- 間引きを2回行って、株ごとの日当たりを確保する
- 寒締めを行うことで甘みと栄養価が格段にアップする
- 冬採りのビタミンCは夏採りの約3倍にもなるという情報がある
- 防虫ネットを活用して薬剤に頼らない栽培を目指そう
- 種1袋でたくさん収穫できるのでコスパは非常に良い
- 20cm〜25cmくらいが柔らかくて美味しい食べ頃
- プランターは深さ20cm以上のものを選ぶ
- ずらし蒔きをすれば長い期間収穫を楽しめる
- 過湿に弱いので水やりは土が乾いてからたっぷりと
- 追肥は葉の色を見ながら適宜行うと良い
- 自分で育てたホウレンソウの味は格別
自分で育てた寒締めホウレンソウのお浸しやバターソテーは、本当に甘くて感動する美味しさです。ぜひこの秋、プランターひとつから始めてみませんか?あなたのベランダ菜園ライフが、実り多きものになりますように!

